日本を代表する超有名企業15社でさえ・・・・・・
(8/3月期・四半期決算の実態と問題点)
会計学者様 公認会計士様
上場会社・決算担当部長様 経理部長様
令和8年7月吉日
会計・経理研究者 伊戸川 匡
はじめに
四半期決算とは何か、何のために制定したのか、その実態は制定の主旨に沿ったものなのか、そうでないのか、専門家の会計学者、会計士の方々も、また本件でとり上げている超有名企業の会計関係者の方々も、四半期決算について、勘違いか、誤解されているようですので、私から新しい視点の元、これまでの日本世界初の検証方法により、その実態、問題点についてお知らせしたいと思います。
本論に入る前に、会計専門家、一般経済人、成人の方に、日本に数多くの会社があるが、「日本を代表する超有名企業で、業種別に15社あげるとすれば、どんな会社をあげますか」とお尋ねしたら、どんな会社があげられるであろうか。と考えてみました。
そこで、私なりに「日本製鉄、ソニー、日立、トヨタ、日産自動車、ホンダ、マツダ、武田薬品、住友化学、帝人、東京電力、ソフトバンク、NTT、野村証券、日本取引所」等15社を挙げてみました。
選定根拠は、東京証券取引所が、日本の職種別代表企業として選別している「日経平均株価採用銘柄225社」のうち、3月決算180社の中からさらに絞り込み「15社」に絞ったものです。
これから取り上げる四半期決算は、一見理解されているようですが、意外にも、プロの会計学者、会計士にも理解されず、誤解されたままなんとなく続いているように思われますので、どうか、新たな視点でご覧ください。
これまで、数百社のデータを集積し、問題提起してきましたが、読む方からすると、数が多くて何が問題点か読み取れず、理解されにくかったようですので、改めて、誰でも知っていると思われる超有名会社15社の事例で実態を明らかにしようとするものです。
日本を代表する日本製鉄、ソニー、日立、トヨタの四半期決算は一体全体どうなってるのか、これら超有名企業の実態がわかれば、四半期の改革が前進するのではないかと、と思った次第です
約半世紀実務の世界で、決算業務に関与してきた私の結論は、四半期制度は、四半期決算制度制定の主旨・目的に合致していないし、投資家、会社自身、会計士、国家国民にとっても、何の役にも立っていないゴミみたいなもので、なかには異臭を放っているものもあり、即刻廃棄すべきと思っています。
だからと言って、四半期決算をやっている会社だけに問題があるわけでなく、このような制度制定した側にも問題あり、ということは申し上げております。
会計学者、会計士の皆様、経理部長の皆様どうか、これまでとは違う視点で、眺めてみてください。
添付データに基づき改めて、15社の四半期決算の実態、問題点を説明していきます。
①日産自動車は、御覧のとおり、1Q~4Qまで見事な連続赤字ですが、会社も、投資家も誰もこんな連続赤字など予測もしていないし、期待もしていない数字です。四半期決算は、業績向上のための指針にするために公表する主旨なのに、四半期連続赤字など、制度の主旨・目的に反しております。しかも四半期と期末の業績それぞれ独立しており何の関係もないのに、四半期連続の赤字見て、次の四半期、期末は黒字になることを期待せよというのでしょうか。全くの意味不明、根拠なしの無駄な制度です。
帝人も全く同じで、四半期連続赤字ですが、こんな赤字連続など、投資家、会社自身にとっても、何の役に立ちません。
②天下の日本製鉄は、1Qでいきなり1958億円の赤字計上、2Q3Q4Qで黒字、差し引き期末若干の黒字です。四半期の主旨は、1Q赤字だから、次の四半期以降も赤字の公算大ですということですが、結果は黒字です。これでは四半期の主旨に反します。
③東京電力も同様です。1Qでいきなり8576億円の巨大赤字計上なので次も赤字かと思いきや、2Q3Q4Q連続黒字で期末差し引き4542億円の赤字です。四半期の公表数字など次の四半期、期末の業績と何の関係もありません。四半期数字など意味なしです。
④次は世界のソニーですが、1Qから3Qまで売上は上昇、利益も3Q連続黒字ですが、4Qで突然1Q2Q3Qの各利益の3倍に相当する桁違いの1兆2746億円の赤字を計上。増収・減益で、期末差し引き3268億円の赤字である。四半期制度の公表の主旨は3Qまで黒字だから最終4Qも黒字と期待してくださいという主旨のはずですが、とんでもない桁違いの赤字など、四半期決算の主旨に違反しています。四半期決算など意味なし、役立たず、不要で、四半期決算制度主旨違反ではありませんか。主旨違反でありながら、監査法人は2Qの監査意見・レビューで「適正・異議なし・指摘事項なし」等々とされていますが、「制度主旨に対し」重大なる違反行為とは思わないのですか?
視点を変えれば、1Qの売上は4Qの売上より4148億円も少ないのに、利益は桁違いの1兆5336億円も多い減収・増益なのである。四半期どうし増収・減益、逆の減収・増益で、バラバラのそのまたバラバラ、四半期決算などどうでもよいゴミではありませんか。世界のソニーにしてこのありさまですが、おかしいと思いませんか。
⑤ホンダも同様です。1Qから3Qまで売上上昇、利益も3Qまで連続黒字ですが、ソニーと同様、4Qで突然1Q2Q3Qの6倍に相当する8893億円の赤字計上、期末は差引4239億円の赤字です。
視点を変えれば、1Q売上は、4Qより4806億円も少ないのに、利益は1兆860億円も多い、桁違いの減収増益なのです。
利害関係者にしてみれば、3Qまで順調な黒字だったのに、4Qで突然桁違いの赤字で、最終期末も大赤字とは、だまし討ちにあったと受け取っても致し方ないのではないですか。こんな四半期決算など意味ないし、公表など何の意味もありません。こんなくだらない制度即刻廃止すべきとは思いませんか。
⑥武田薬品は、1Q赤字、2Q黒字、3Qまた赤字、4Qでまた黒字と、順番に黒字赤字黒字赤字の繰り返しです。公表されたそれぞれの黒字赤字を見て、なにをどうしろというのですか。こんなもの意味ないではありませんか。
住友化学も似たようなもので、1Qでいきなり赤字、2Q3Qで黒字、4Qでまた赤字、順序は違うが赤字黒字の繰り返しです。
マツダも同じで、1Q2Q連続赤字、3Q4Qで黒字、これも順序が違うだけで、赤字黒字の繰り返しです。
赤字だから次も赤字だろうと思ったら黒字、黒字だから次も黒字かと思ったら赤字に、こんなもの見て、何をどうしろというのですか。意味のないこと、できもしないことを制度化するなど、恥ずかしいと思いませんか。
⑦次はマスコミで話題のソフトバンクについてですが、売上がほぼ一定なのに、利益は売り上げに無関係の富士山を登ったり下りたりのごとくの数字です。1Q4218億円、2Q2兆5022億円、3Q2486億円、4Qでまた1兆8295億円の黒字、通期で5兆22億円の黒字です。四半期5000億の利益だから次も同じかと思ったら、2倍の1兆円だとか、10倍の5兆円の利益である。売上が同水準なのにである。四半期決算の意味、その公表の意味なしである。
⑧次は日本を代表する日立についてですが、各四半期売上は上昇し利益も黒字でありさすがと思われますが、売上と利益の関係が、どこか異常に思われる点が見受けられます。
4Qの売上は4期のうち一番高額なのに、利益は4期のうち一番低額ということです。
具体的には、4Qの売上3兆849億円は、1Qの売上より8266億円も多いのに、利益は1Qより283億円の低額、2Qの売上より5559億円も高額なのに、利益は1168億円も低額、3Qの売上より3705億円も高額なのに、利益は約19億円低額である。
視点を変えれば、1Q売上は、4Qより8266億円も少ないのに、利益は、283億円多い減収・増益なのである。
そもそも論として会計、決算というものは、売上げを増やせば利益が増える。売上減れば利益減るというのが、会計の基本の認識されていますが、実態はそうではなく、売上が増えても利益は減る。売上が減っても逆に利益は増える、これが会計の基本の基本なのです。四半期の数字など、通期と何の関係もないのです。
⑨次は同じく日本代表といえるトヨタについてですが、さすが売上日本一、利益第二位の会社です。特に目立った点はありませんが、あえて言えば、日立と同様、4期の中で4Qの利益が一番低額という点です。4Qの売上げが1Qより3440億円多いのに、利益は241億円少ない、2Q売上より2199億円多いのに、利益は1148億円も低額。
視点を変えて1Q売上は4Qより3440億円少ないのに、利益は241億円多い減収・増益なのである。売上が増えているのに利益が減る。逆に売上が減って利益が増えるのである。会計原則に照らし、如何なものでしょう。四半期決算などどうでもよいのではありませんか。
簿記・会計・経営の基本の基本である「売上が増えれば利益は増える、売上が減れば利益は減る。」という原理原則と異なり、売上が増えても利益は減る。売上が減れば利益は増えるのである。「増収・減益」「減収・増益」が現実にあり、適正な会計現象である限り、四半期決算の赤字黒字の繰り返しは当然であり、四半期決算の意味などないに等しいのではありませんか。
⑩次はNTTですが、各四半期すべて売上増で結構ですが、4Qの売上が4期中最高の3兆9880億円ですが、利益は4期中最低の1109億円です。比較すると、1Qの売上が4Qの売上より7260億円も少ないのに、利益は1Qの利益が4Qより1487億円も多いのである。2Q売上が4Q売上より4774億円も少ないのに、利益は2Qが4Qの3倍に相当し2249億円も多いのである。3Qも同様で売上が4Qより3397億円も少ないのに、利益は4Qの3倍に相当し、2194億円も多いのである。
四半期間でも売上増えれば、利益減となり、売上減れば利益が増える、これでは四半期の数字など何の意味もなないということになりませんか。
⑪次は証券業界代表の野村証券についてですが、さすが売上は一定水準で上昇傾向にあり、利益もほほ一定の黒字水準を維持しています。あえて分析しますと、1Qの売上が4Qより561億円少ないのに、利益は4Qより306億円多いことです。2Qの売上も4Qより515億円少ないのに、利益は181億円多く、売上減っているのに利益が増えるいわゆる減収・増益というスタイルです。売上減っても利益が増えるということは、売上と利益の関係は比例も反比例もしない、極論すれば無関係ということを認識する必要ありということになりますが皆様理解できますか。
⑫最後に、日本取引所に関してですが、他の小論で述べたことと変わりありませんので、同趣旨の説明をさせていただきます。
前期四半期と同様、四半期の売上、利益ともにほぼ同水準で推移しており、結果として、1Qの2倍が2期、3倍が3期、4倍が期末に近い数字であり、業務内容が一定化しており、収支が安定している典型的業種であり、見事な結果としか言いようがありません。
以上日本の代表的企業の四半期の実態を述べてきました。
結論として繰り返しますが、せっかくの四半期決算制度ですが、四半期決算制度は四半期決算制度導入の主旨・目的に合致していないし、投資家にとって、会社自身にとっても何の意味もない、何の役にも立たないゴミのようなもの、国家国民にとってもなんら役に立たない無駄なもの、中には異臭を放っているものもあり、早急に廃棄すべきものなのです。
理解しやすいように、日本を代表する超一流の企業15社に絞り、実態と問題点を列挙してきましたが、これでは何の意味もなさそうなので、廃止しても良いと、ご理解いただけましたでしょうか。