「8/3月期・四半期決算制度の致命的欠陥」と問題提起 その④

「8/3月期・四半期決算制度の致命的欠陥」と問題提起 その④

企業会計審議会 会長様 委員各位様
公認会計士協会 会長様 会計士各位様

令和8年7月吉日        
会計・経理研究者      
伊戸川 匡       

はじめに
 私は、これまで数年間、四半期決算には、致命的欠陥があり、直ちに廃止すべきであると、所見を述べてきました。トランプ大統領、岸田前首相も「四半期決算制度」に関し、これまで廃止を含め見直したらどうかと提案してきたが、遺憾ながら、提案は一向に進んでいないのである。
 本件四半期に関し、大統領、一国の総理までもが、廃止を提案していたが、そもそもこの四半期決算制定の目的とはなんなのか、投資家、債権者等利害関係者の役に立っているのかいないのか、作成者の会社自身のためになっているのか、会社の経営を短期志向に走らせるものなのか、産業界、国家のために役立っているのか、等々。何が問題で、実態はどうなのか、上場企業で半世紀会計実務に携わってきた一人として、世界・日本初の検証結果を述べてきたが、繰り返し前年の7,3期決算に引き続き、直近の令和8年3月期の四半期決算について、致命的欠陥を指摘し、廃止するよう提案したい。
これまでも指摘し、なにを今さらと思うかもしれないが、「鳴り物入りで新たに制定した「四半期決算制度導入の目的」とは何か、そしてその実態は目的通りか否か、改めて明らかにしておきたい。

(1)四半期会計制度制定の趣旨・目的について

①その具体的定めは、四半期会計基準第1項に、「四半期会計基準は、四半期財務諸表に適用される会計処理及び開示を定めることを目的とする」と記載され、第9項会計方針として、四半期連結財務諸表の作成のために採用する会計処理の原則及び手続きは、原則として、年度の財務諸表の作成にあたって採用する会計処理の原則及び手続きに準拠しなければならないと明記されているのである。

②新たに定めた四半期決算に関する「四半期会計基準」には、「投資家保護を目的」とするとか「株主および債権者保護を目的」とするとか、制度制定の目的に関する定めはないのである。
以上が四半期決算の目的であり、投資家のため等の目的のない、手続きに関する「準拠性」のみの規定であり、四半期決算の目的及び四半期決算と年度決算との考え方の違いが、明記されていないのである。
要約すれば、「四半期決算をどのような手続きで行うかの手続きを定めることが、四半期会計基準の目的」であり、「投資家を保護するためとか、投資家のために役立つ情報提供」等のため四半期決算をやるとする目的が定められていないのである。さらに言えば、「旧・中間決算制度は、期末の業績を予測するために有用・有益な情報を提供することが目的」として制度化されたものであるが、四半期決算は、中間決算の目的と異なり、年度末、期末の業績を予測するために四半期決算を行うとする目的はないのである。換言すれば各四半期と次の四半期、通期の業績・決算とは何の関係もない独立したものであると定めているのである。
投資家のために役立つ情報を提供するため等の目的は定められていないのであり、各四半期決算は、期末の業績と何の関係もない独立したものであるから、四半期が赤字であろうが、黒字であろうが、その期末の業績が赤字であろうが、黒字であろうが四半期と期末の業績に関係あろうがなかろうが、投資家に役立つものであろうがなかろうが、何の関係もないのである。唯、四半期会計基準に定めてある手続きに準じているかいないかが重要なのである。四半期決算は、投資家のために必要不可欠なものとはどこにも定めていないのである。

にもかかわらずである。四半期会計制度を審議し、制度導入に参画した各審議会委員及び会計関係者の皆さん方は、四半期決算は、投資家のために役立つことを目的として導入したと述べ、トランプ元大統領、岸田首相の四半期見直し提案に、反対し、今日に至っているのである。以下に専門家の皆さんの反対意見とはどんなものなのか、繰り返し参考に供しておきたい。

岸田前首相が掲げた「短期主義を助長するからとする四半期開示の見直し」について、令和4年2月18日の金融審議会作業部会では、短期主義を助長していないとの趣旨の発言が相次ぎ、まだ不要論が出るに至っていないし、四半期制度廃止に賛成する委員はゼロだった。とのことである。各委員の公式の発言は少ないので、繰り返しになりますが、以下のコメントを引用させていただく。

廃止意見ゼロの審議会作業部会委員(18名)の意見は以下の通りである。

①井口譲二 ニッセイセットマネジメント・チーフコーポレートガバナンス・オフィサ-(執行役員統括部長)(阪大・経卒)

  • 資本市場のプラクティスとして浸透していることから存続すべきだ。廃止ではなく効率化で議論すべきだ

②近江静子 Jモルガン・アセットメント・インベストメント・スチュワードシップ統括責任者エグゼクテイブディレクター(ICU 文化卒)

  • 四半期開示イコール、ショートターミズムではない
  • 決算短信と四半期報告の一本化に賛成

③三瓶祐喜 アストナリンク・アドバイザー・代表(早大・理工卒)

  • 企業のガイダンスの仕方の再考が必要
  • 半期報告のみでは投資家から質問がきて不用意に答えるとインサイダーになる
  • 投資家が情報収集したいときに日本企業が黙っていると日本の地盤沈下がおきる

④永沢裕美子 フォスター・フォーラム(良質な金融商品を育てる会)世話人(東大・教養卒)

  • 四半期開示をしなくていいようになるように伝わってきた時には不安を感じた。見直すという表現ではなくて効率化していくという表現で進めていくべきだ

⑤黒沼悦郎 早稲田大学大学院法務研究科教授(東大・法卒)

  • 非財務情報は財務情報を代替するものではなく、非財務情報の充実は、財務情報を後退させる理由にならない
  • 四半期は法定開示として維持すべきだ。短期主義を助長しているというのは誤解に過ぎない

⑥田代桂子 大和証券グループ本社・取締役兼執行役副社長(海外担当兼SDGS担当) (早大・政経卒)

  • 経済同友会の経営者に聞いたなかで、四半期開示により(経営が)短期的になると言った経営者は一人もいない。経営者がそんなことを言っていると思われるのも問題

⑦清原健 弁護士 (東大・法卒)

  • 複数の開示制度への負担は高い、合理性のある見直しを

⑧佐々木啓吾 住友化学常務執行役員

  • 決算短信と四半期報告の併存を見直し、一本化には賛成。住友化学の決算期は1990年代半ばまでは12月期だったが、同業他社との比較可能性や、国の統計との分析しやすいように変えた

⑨藤村武宏 三菱商事サステナビリティ・CSR部長(東北大・法卒)

  • 四半期報告の情報にどれくらい意味があるのか疑問。短信と報告書は重複が多く改善が望まれる

➉上柳敏郎 弁護士 (東大・法卒)

  • 適時開示は早期警戒情報として極めて大きい。金商法の法定開示は維持すべきだ
  • 短信と報告書の相互引用、レビュウの合理化はありうる
  • 金商法で国家として保証する形で企業の状況を明らかにすることは、我が国市場への海外からの信頼を確保するため重要な制度

⑪松元暢子 学習院大学法学部教授(東大・法卒)

  • 四半期報告書は、必要だから法制化されており、やる必要がなくなった状況になったわけではない。簡素化・廃止には十分な根拠が必要。ショートターミズムが根拠になっているかは、少なくとも現時点で助長することになっている学術研究もでてない。
    ショートターミズム懸念で半期報告書を廃止するのであれば、短信とまとめてやらなければ意味がない

⑫熊谷五郎 みずほ証券グローバル戦略部産官学連携室上級研究員(日本証券アナリスト協会・企業会計部長)(慶大・経卒)

  • アナリスト協会は、四半期開示そのものをやめるのは反対で一致。四半期報告書を残してほしいという意見もある。開示内容については、財務諸表フルセット求めなくていいという考え方もある

⑬中野貴之 法政大学キャリアデザイン学部教授 (法大・経卒)

  • 公認会計士のレビューは大きな意味がある。四半期報告制度は維持すべきだが、有効で効率的な制度に再構築してより良い制度に

⑭上田亮子 日本投資環境研究所主任研究員 (横浜市立大・経卒)

  • 個人投資家と機関投資家の情報ギャップあり、完全廃止は市場の信頼性、投資家保護の観点から望ましくない

(以下コメントなし)

⑮神田秀樹 座長 学習院大学大学院法務研究科 教授 (東大・法卒)
⑯神作裕之 東京大学大学院法学政治学研究科 教授 (東大・法卒)
⑰小林いずみ ANAホールデングス株式会社 社外取締役 (成蹊大・文卒)
⑱高村ゆかり 東京大学未来ビジョン研究センター 教授

上記論点について指摘しておかなければならない点は、審議委員の皆さんは、四半期は四半期の実態・事実を表記するものであるから、四半期実績が分かれば次の四半期及び期末の業績がほぼ予測乃至適正な判断ができるだろうとの「誤った考え、認識が大前提」で成り立っているということなのである。
従って、もし、四半期決算が審議会委員の主張することにならない場合、この制度は制定そのものが誤りであり、導入は誤りだったということになるのである。

しからば、その四半期決算は、ずばり次の四半期、乃至期末の業績予測に役立つているか否か、四半期決算の実態を明らかにしたいと思う。この分析は日本及び世界初のものである。(直近の令和8年3月期の決算資料・別途添付)
もし、四半期決算、開示が次の四半期及び期末の業績と異なった場合、投資家保護どころか、四半期開示は、投資家を「困惑の世界へ導き」挙句の果てに「地獄か奈落の世界へ追い込む制度」であり、即刻廃止すべきであるが私の主張である。
(私が、かって、旧・中間決算制度は役に立たないから、即刻廃止されたいとの論文発表し、主張通り、法改正され廃止されたと同様に・・・・・・・)

A表により以下「8,3期四半期の致命的欠陥・問題点」を列挙していきます。

(添付資料、四半期、一期でも赤字の企業39社の業績の乖離が大きな企業の実態)

①日清製粉は、売上が四半期ほぼ一定水準にあり、1Qに116億円の黒字なのに、2Qで突然12億円の赤字計上、3Q4Qでまた125億円、96億円の黒字となっている。赤字、黒字の繰り返しなど、四半期の実績がわかれば、次の四半期及び期末の業績がほぼ予測できるとする前提そのものが、誤りであり、審議会委員が主張する四半期導入の目的に違反しています。黒字赤字の繰り返しの情報など、投資家にとって何の役にも立たず、企業、国家にとっても無駄、不要です(以下同じ様なもの)

②明治HDも、売上が四半期ほぼ一定水準にあり、1Q2Q3Qで100億~170億円の黒字なのに、4Qで突然37億円の赤字を計上、期末において350億円の黒字です。前半の四半期で黒字なのにその後赤字など、審議会委員が主張する四半期決算導入目的に違反します。四半期決算など「投資家判断に必要な経営情報でもありません。

③ユニチカも、1Qで13億円の黒字なのに、2Qで突然47億円の赤字、3Qで141億円4Qで75億円の黒字、期末で181億円の黒字です。赤字転落、前半の四半期の黒字はなにを意味するか、各四半期何の関係もなし、四半期決算導入目的に違反します。

④帝人も売上げが一定水準なのに、1Qが7億円の赤字、2Qが540億円の赤字、3Qが41億円の赤字、4Qで290億円の赤字、通期で880億円の見事な連続赤字です。四半期連続赤字など、会社も投資家も誰も望んでいない、不要無用情報です。

⑤化学業界トップの住友化学も、四半期の売上がほぼ一定水準で上昇しているのに、1Qがいきなり45億円の赤字であったが、2Qで442億円の黒字、3Qで476億円の黒字、4Qでまた264億円の赤字、4Qの売上が1Qの売上より960億円も増えているのに、利益は1Qより218億円も減っているのである。
売上と赤字の関係は、比例反比例でもなくばらばらです。売上が減ったから利益が減ったというものでもありません。売上が増えているのに、利益が減るなどおかしくありませんか、売上増やす意味ないのではありませんか。四半期と通期業績など何の関連性もなく、四半期情報など意味なしです。これが日本を代表する会社の、四半期の実態なのです。日本を代表する会社がこの程度である限り他も押して知るべしということになるのです。四半期決算導入目的に違反します。四半期情報など「投資家判断に必要な経営情報でもないし、投資家保護の目的」に反します。四半期実績が分かれば次の四半期及び期末の業績がほぼ予測できるとする前提そのものが誤りであることを理解し、早急に廃止すべきです。

⑥三菱ケミカルも、各四半期売上が上昇しているのに、1Qが196億円の黒字、2Qが905億円の黒字、ところが3Qで47億円の赤字、4Qで936億円の赤字なのである。4Qの売上が1Qより860億円も増えているのに利益は1132億円も減少しているのである。売上が増えているのに赤字が増える。なんですかこれ。

⑦武田薬品も、各四半期売上がほぼ一定水準なのに、1Qが1242億円の黒字、2Qが突然118億円の赤字、3Qで1036億円の黒字転換、ところが4Qでまた243億円の赤字計上なのである。黒字赤字黒字赤字の繰り返しの四半期の実績見て、何を判断せよというのですか。四半期実績が分かれば次の四半期及び期末の業績がほぼ予測できるとする前提そのものが誤りであり、四半期決算導入目的に違反します。「投資家判断に必要な情報でもないし、投資家保護の目的」に反します。会社にとっても意味のない無駄な作業ではありませんか

⑧日本板硝子も、各四半期の売上がほぼ同水準ですが、1Q1億円の赤字、2Q40億円の赤字、3Q9億円の赤字の三期連続赤字なのに、4Qで突然95億円の黒字に転換、通期で44億円の黒字である。
売上が同水準でも、利益は赤字黒字のバラバラで、四半期間、期末の業績と何の関連もありません。

⑨日本を代表する日本製鉄も、各四半期の売上は上昇傾向にありますが、1Qでいきなり1958億円の高額の赤字です。その後2Qで824億円、3Qで683億円、4Qで621億円の黒字で、通期では171億円の黒字計上です。1Qの高額の赤字を見て、次の四半期も大赤字と予測する投資家がいるかもしれませんが、結果はその後3期黒字なのです。何見て、何を根拠にどう予測しろというのでしょうか。

⑩日立造船も、各四半期の売上が上昇傾向にあるのに、1Qで36億円の赤字、2Qで18億円、3Qで8億円の連続赤字、4Qで174億円の黒字、通期で111億円の黒字なのである。3Qまで連続赤字で、その後も赤字に思わせておいて、次は黒字なのである。こんな数字いくらならべても、次期以降どうなるか、誰にもわからないのである。

⑪パナソニックも、1Q714億円、2Q709億円の連続黒字、3Qで171億円の赤字、4Qで再び642億円の黒字化、黒字赤字黒字バラバラである。しかも1Qの売上が3Qより1666億円も少ないのに、1Qの利益は885億円も増えているのである。売上が減ってるのに、利益が増えてるが、おかしくないですか。これなら売上増やす必要などないではないですか。

⑫シャープは、各四半期売上ほぼ同水準ですが、1Q2Q3Q連続黒字なのに、4Qで突然200億円の赤字です。3Qまで黒字なら、その後も黒字と思うのではありませんか、黒字赤字では、四半期実績をどう生かせというのでしょうか。四半期など何の役にも立ちません。

⑬天下のソニーも、各四半期売上にバラ付あるものの、1Q2590億円の黒字,2Q3398億円の黒字、3Q3488億円の黒字なのに、4Qで突然桁違いの1兆2746億円の赤字計上、通期で3268億円の赤字である。
しかも、しかもである。通期の利益について、とんでもない誤差があるのである。証券取引所発表の決算短信の発表利益は、1兆308億円の黒字なのに、会社四季報掲載の利益は、3268億円の赤字なのである。「注記等によれば理由があり、どっちも正しいとか」会社も、監査法人も二枚舌使うのやめませんか。最低限どっちかに統一すべきではありませんか。そのつもりないなら、会計の幼稚園からやり直したらどうどうですか。そうでないなら、どうでもよいゴミである。異臭を放っているゴミなど早急に捨てるべきではありませんか。また、監査法人、会計士の皆さん、期末大赤字なのに、四半期黒字であり、手続きに準じているので、「四半期適正、指摘事項なし」など、おかしくないですか。四半期会計の趣旨・目的も理解していない監査法人など、私なら解任します。

⑭日産自動車は、売上に多少ばらつきあるもののほぼ上昇傾向にあるのに、1Qから4Qまで全四半期誰も望んでいない見事な赤字連続です。通期で5330億円の赤字です。4Qの売上は1Qより、7230億円も多いのに、赤字は1671億円も増えているのである。売上が増えれば増えるほど赤字が増えるのです。おかしいと思いませんか、制度の趣旨目的からしておかしくありませんか。

⑮マツダは、売上はほぼ上場傾向のなかで、1,2Q連続赤字なのに、3,4Qで連続黒字、通期で350億円の黒字計上です。赤字黒字の繰り返しで、前半赤字なのに、後半、通期は黒字であろうとの予測は、会社、投資家には無理でしょう。

⑯ホンダは、各四半期の売上が上昇傾向で、1Q2Q3Qの三期間連続黒字計上だったのに、4Qで突然8893億円の桁違いの赤字計上、通期でも4239億円の赤字です。
4Qの売上が1Qより4806億円も多いのに、赤字は1兆860億円も多いのです。
売上増やして、桁違いの1兆円超える利益減などおかしくないですか。こんな四半期の数字見て、期末を予測することは、何人にも不可能です。

⑰ニコンは、各四半期売上が上昇しているのに、利益は黒字赤字の繰り返しで、期末で、860億円の赤字です。

⑱電力トップの東京電力は、各四半期売上にばらつきあるが、1Qでいきなり桁違いの8576億円の赤字計上、2,34Qで連続黒字計上、通期で4542億円の赤字なのである。赤字黒字赤字の繰り返しなど、四半期決算導入目的に違反します。四半期情報など「投資家判断に必要な経営情報でもないし、投資家保護の目的」に反します。四半期など東電にも不要、無駄そのものなのです。

⑲以上代表的企業の実態をのべてきましたが、四半期黒字なのに、期末に突然赤字転落、逆に四半期赤字なのに、期末に突然黒字など、赤字黒字ばらばらのもの並べてみて何の役に立つのですか。四半期の決算など意味ないのではありませんか。何のための四半期か、四半期など無駄そのものではありませんか。四半期実績が分かれば次の四半期及び期末の業績がほぼ予測できるとする前提そのものが誤りであり、四半期決算導入目的に違反します。四半期情報など「投資家判断に必要な経営情報でもないし、早急に廃止すべきなのです。

 

添付資料B表「四半期・全て黒字企業」(141社)の主要企業の四半期の致命的 欠陥、問題点を列挙していきます。

①日本を代表する日立は、4Qにおいて、売上が1Qより8266億円も増えているに、利益は283億円も減っている。また2Qより売上が5559億円増えているのに、利益は1168億円減っている。売上が増えても利益が減少するのみ。四半期ごとに利益が減ったり増えたり、売上の増減と無関係な利益である。

以下同様に、企業の実態を述べますが、売上・利益はばらばらであり、日立と同じ趣旨の結果ですが、業界の代表的企業の実態を列挙します。

②同じく日本を代表するトヨタについても、四半期の売上に激変はないようですが、さすがトヨタ、各四半期の利益も安定していてすばらしい結果です。しかし内容として、1Q2Q3Qまでは増収増益でわかりやすい結果ですが、4Qにおいて売上が3Qにくらべ8595億円も激減、利益も4402億円激減です。投資家にとってこんなこと、理解できますか。売上が増えていても一気に激減、四半期の業績が把握できても、通期の業績には直結していないのです。

③商社トップの三菱商事についても、4Qにおいて売上が3Qより1917億円増えているのに、利益は595億円減少している。同様に、4Qの売上は1Qの売上より1兆162億円増えているのに、利益は1Qより105億円も減っている。売上増やしても利益は増えるどころか減ってしまうのである。売上増やして、利益を減らす、なんですかこれ。こんな制度早急に廃止すべきではありませんか。

④商社二番手の伊藤忠も、4Qにおいて売上げが3Qより997億円増えているのに、利益は100億円減っている。また4Qは1Qの売上より2779億円も増えているのに、利益は1Qより889億円も減っているのである。売上を増やして利益を減らすとは一体どういうことです。制度そのものがおかしいのです。こんな制度廃止すべなのです。

⑤金融代表の三菱UFJについては、4Qの売上が2Qより3371億円増えているのに、利益は2Qより1331億円も減少している。3Qも売上が2Qより1101億円多いのに、利益は2263億円も減少している。売上増やしても利益は減る。売上げと関係ない利益並べて、どうしろというのでしょうか。プロであれ、素人であれ、何が有用な情報ですか?

金融二番手の三井住友FGも、4期のうち4Qの売上が一番多いのに、利益が一番少ないのである。比較すると4Qの売上が1Qより4120億円も多いのに、利益は1Qの半分であり、1886億円も少ないのである。さらに4Qの売上が2Qより950億円多いのに、利益は2Q利益の1/3であり、3684億円も少ないのである。3Qも同じで、売上が多くても、利益は3Qの1/2以下なのである。売上が増えれば増えるほど利益が減っていく、会計原則からしておかしいと思いませんか。四半期など何の意味のないと思いませんか。

⑦証券トップの野村証券も、4Qの売上が1Qより561億円多いのに、利益は306億円少ないのである。さらに4Q売上が2Qより515億円多いのに、利益は181億円すくないのである。売上を増やして、利益を減らすのである。会計原則からしておかしいと思いませんか。このおかしいのが、四半期会計なのです。こんな四半期会計など、やめませんか。

⑧保険トップの東京海上は、4Qの売上が2Qより987億円増えているのに、利益は2Qより1388億円減少、前期も全く同じで、売上を増やしても利益は増えるどころか、減るのである。これでは「投資家判断に必要な経営情報でもないし、投資家保護の目的」に反します。

⑨通信業界トップのNTTは、4期中4Qの売上が一番多いのに、利益は前3Qの1/3程度で一番少ないのです。4Qの売上げが1Qより7260億円も増えているのに、利益は1Qより1487億円減少、2Q,3Qsとの比較でも売上が増えても利益は1/3以下に減少し、売上利益ばらばらなのである。こんな四半期の数字見て、何を考えよというのか、四半期など意味なしである

⑩マスコミで話題のソフトバンクGも、売上は各四半期ほぼ一定水準でありながら、利益は、1Q4218億円、2Q 2兆5022億円、3Q2486億円、4Q1兆8295億円で、売上と利益との関係などどこ吹く風、バラバラのバラバラである。富士山を登ったり下りたりのごときである。四半期の基準など無関係である。

⑪ 交通トップの東日本JRは、売上は4期中4Qがトップですが、利益は4期中最低です。4Q売上は1Qより1293億円多いのに、利益は502億円減少、4Q売上げが2Qより969億円多いのに、利益は401億円減少。3Qとの比較も同じです。売上増やしても、利益減る一方。これが会計なのです。四半期など意味なしなのです。

⑫ 最後に、取引監視機関の日本取引所の状況について触れておきます。結論としては、前期に述べたと同様の結論ですが、通期決算、四半期決算の目的、あり方の理想像を示していることを申し述べておきます。前期四半期と同様、四半期の売上、利益ともにほぼ同水準であり、結果として、1Qの2倍が2期、1Qの3倍が3期、1Qの4倍が期末といってよいと思います。業務内容が一定化しており、収支が一定している典型的業種でありますが、見事なものです。

(1)審議会委員各位の皆様は、四半期の実績が把握できれば、その後の四半期乃至期末の業績が予測乃至把握できるものであり、投資家等に役立つものである、との「間違った先入観、前提」で、この四半期決算制度の導入されました。本文で示したように、四半期黒字なのに期末で突然大赤字、逆に四半期赤字なのに期末突然黒字、四半期ごとに黒字赤字の繰り返し、売上が一定であろうがばらつきあろうが、赤字黒字ばらばらの実績等々、こんなものが、次の四半期、期末の予測に役立つもの、投資家のために役立ち必要不可欠、企業経営にとっても必要不可欠の情報であると、まだお考えですか? このへんでおやめになったら如何でしょうか?

これまで述べてきたように四半期制度は、短期志向どころか、会社経営にとっ て不要、無駄そのもの、不正、粉飾に導き、挙句の果てに倒産、地獄に追い込む制度であり、国家的損失無駄であることを理解し、即刻廃止すべきなのです。

元・公認会計士協会長が「利益の事前計算」「利益予測は絶対に不可能」と断言しているのです。それが正しい主張かかどうかは別にして、会計のプロ中のプロの会計士が出来ないと言っているのです。会計の素人の審議会委員の皆様が、会計など子供でもできる簡単なもの、利益予測足など、足し算・引き算などに過ぎないなどと考えているとすれば、とんでもない浅はかな考え、いつの日か、恥かきたくなければ、そんな考え捨てなさい、としか言いようがありません。

(2)会計士の皆様には、審議会委員各位に対するのと、同じことを問題提起しますが、四半期会計基準、規則には、投資家のために役立つためとする目的は記載されておりませんが、会計士の皆さんは四半期会計手続きを遵守して監査しているので、四半期、期末業績が赤字であろうが、黒字であろうが、投資家に役立とうが、役立たなかろうが、「適正、指摘事項なし」などと取り扱っていますが、そろそろ考え直したほうがよろしいと思います。

四半期決算は、投資家に役立つ情報提供するために導入したものであるのに、「四半期決算は、会計手続基準に準拠しているので会計は適正ですが、投資家の役には立っていないものかもしれませんが、われわれが関知すべきことではありません」とか「投資家の役には立っていないかもしれませんが、四半期会計基準に準拠しているので、会計は適正です」とか、これからもこんな「へんてこりんな監査」を続けていくのは、そろそろやめましょう。こんなこと平然と続けて行って、恥ずかしくないですか。こんな監査など不要ではありませんか、かっての旧・中間決算と同様、こんなこと続けて、恥ずかしくカッコ悪くないですか? 使命感ある会計士の皆様は監査不能に陥っているのです。会計士さんはなぜ四半期制度導入に反対しなかったのですか?現時点で何故、審議会・委員に是正を求めないのですか?これからでも遅くはありません。改革のご意向があるようでしたらお手伝いさせていただきますのでなんなりとご意見いただきたく思います。(完)

 

(重要・参照事項)

これまで述べてきた根拠であるデータの内容については、データ内容に2種類あり、いわゆる「四半期残高ベース」と「当該3ケ月間発生ベース」であるが、今回分析の根拠は、日本、世界初の「当該3ケ月発生ベース」です。(紙面の関係上、別途HPに詳細掲載)

ご注意いただきたいことは、繰り返しになりますが、今回分析は「累計した四半期末の業績分析」でなく「各四半期の3ケ月を独立した決算期間と考え、当該3ケ月間にどれだけの業績を上げたか」の業績分析です。つまり、四半期は独立した決算期間であり、四半期の会計処理は年度末と同じ会計ルールを基に会計処理しているのですから、一年単位で業績評価するのと同様、独立した3ケ月単位の四半期を、黒字か赤字かを分析評価しようとするものであり、その結果として、現行四半期の業績は果たして、通期の業績を考える上で有用な情報であるのか、投資家の役に立つ情報であるのかないのか、四半期制度制定の目的に合致しているものか等を評価しようとするものであります。

 

(付属資料)

A表 8/3月期 四半期・一期でも赤字の企業リスト(39社)

B表 8/3月期 四半期・全て黒字の企業リスト(141社)

C表 8/3月期 基本資料(日経平均株価採用銘柄225社のうち3月決算 180社)