令和6年3月期決算分析資料を公開いたしました(利益予想は可能か不可能かの検証)

令和6年3月期・決算分析資料を公開いたしました
(利益予想は可能か不可能かの検証)

改めて
上場企業社長・決算担当役員・担当各位様 赤字転落企業各社様
会計学者・公認会計士・マスコミ各社様

 

何を主張したいか、メーンテーマは何かについて

 我が国上場企業の3月決算期の決算分析を開始して以来16年になりますが、上場会社といえども「利益予測は可能か否か」、「口ではそんなものできて当たり前」とされてきているが、ほんとのところ予測できないのではないか、できないのにできると勘違い、思い違いしているのではないか、それを明らかにするのが、私の重要かつ基本テーマです
時期がきましたので、直近の令和63月期の分析結果を公開いたします。継続性を維持するため、分析に特段影響はないとは思いますが、引用データがこれまでの16年間と異なりますので下記説明しておきます。


予想数字に関する引用データの異なる理由とその内容について

(1)これまでの15年間の予想数字は、上場各社が上場企業の義務として「毎年3月初旬に日経新聞に発表した数字」を、実際数字は、東洋経済発行の会社四季報の夏号(毎年6月中旬発行発売)記載の実際数字を引用してきましたが、今期から、予想数字は、日経新聞掲載数字から、東洋経済・会社四季報掲載数字に変更いたしました。
(2)理由は、日経新聞がこれまで数十年間継続して公表してきた「3月決算予想」の特集データ掲載が、今年度より中止されたことによります。
(3)東洋経済の予想数字は会社四季報20242集号(発売日令和6318)であり、これまでの日経特集、掲載日の毎年37日前後で大差なく、予想数字として変更しても支障はなく、納得できるものと判断した次第です。


分析項目及び添付データは以下のとおりです。

①6,3月期 黒字予想の赤字転落企業ランク(赤字高額順)
②黒字予想の赤字転落企業ランク(赤字差額・高額順)
③増収・減益企業ランク(純利益 差額ベース)
④増収・減益企業ランク(売上高 差額ベース)
⑤減収・増益企業ランク(純利益 差額ベース)
⑥減収・増益企業ランク(売上高 差額ベース)
⑦赤字予想の黒字転換企業ランク
⑧赤字予想の赤字拡大企業ランク
⑨赤字・高額ランク
⑩黒字・高額ランク(500億円以上)
⑪売上高・高額ランク
⑫売上高・少額ランク
⑬予測通りの有無 利益
⑭(基本資料)全社・業種別データ


利益予想と実際の乖離その基本的考え方について

 これまでと同様、利益の予想と実際に関し、検証していきます。一般常識として、そんなものできて当たり前、なにを今さらとの思いが、専門家、一般人にも共通していると思いますが、繰り返し、そうではないこと、思い込み、認識誤りのあることを指摘し、問題提起します。
 分析の根拠である「予想数字は、1年前でも、半年前でも、3ケ月前に予測した数字でなく、「3月期末の1ケ月未満の3月中旬の予想数字」と「実際」を比較するのですから、1年前の予想との比較なら、予測通りでなくても当然だが、「たったの1月前との比較」なら、予測どうり乃至予想に近い数字が当然と皆様思いますでしょう。しかし、そうではないのです。どうぞ、私の分析結果、検証結果をご覧ください。


黒字予想の赤字転落企業の事例について

  1. 赤字転落に関し、ここ数期間、常に赤字転落し、注目を浴びてきたソフトバンクGは、売上が予想より増えているのに、利益どころか赤字計上トップの「増収・減益企業ランク」トップとして、別項に記載します。
  2. 今期において、サービス業の大手リロは、188億円の黒字を発表しましたが、結果は278億円の赤字転落、予想より466億円の利益減なのです。しかも、売上が予想より25億円上回っているにもかかわらずです。たった1ケ月前の予想でも赤字転落なのです。誰にでも出来るはずの利益予想が、どこかおかしいと思いませんか。
  3. 建設大手の日揮は、期末1ケ月前に160億円の黒字発表しましたが、結果は78億円の赤字転落、1ケ月前の予想より238億円の利益減なのです。売上が予想より325億円も上回っているにもかかわらずです。しかも、たった1ケ月前の予想でもこうなるのです。誰にでも出来るはずの利益予測が、どこかおかしいと思いませんか。
  4. 非鉄金属大手のリクシルは、期末1ケ月前に60億円の黒字を発表しましたが、結果は139億円の赤字転落、1ケ月前の予想より199億円の利益減なのです。たった1ケ月前の予想でもこうなるのです。
  5. 自動車業界のエクセデイは、期末1ケ月前に90億円の黒字予想数字を発表しましたが、結果は100億円の赤字に転落、1ケ月前の予想より190億円の利益減なのです。しかもたった1ケ月前の予測なのにこうなるのです。誰にでも出来るはずなのに、どこかおかしいとは思いませんか。
  6. 化学のJSRは、期末の1ケ月前に85億円の黒字発表しましたが、結果は55億円の赤字に転落、予想より140億円の利益減です。たった1ケ月前の予測なのに、誰にでも出来るはずなのに、どこかおかしいと思いませんか。
  7. 食品の丸大食は、期末の1ケ月前に12億円の黒字発表しましたが、結果は94億円の赤字に転落、予想より106億円の利益減です。たった1ケ月前の予測なのに、誰にでも出来るはずなのに、どこかおかしいと思いませんか。
  8. 通信の朝日放送は、期末の1ケ月前に9億円の黒字発表しましたが、結果は8億円の赤字に転落、予想より17億円の利益減です。たった1ケ月前の予測なのに、誰にでも出来るはずなのに、どこかおかしいと思いませんか。
  9. 鉄鋼の三菱製鋼は、期末の1ケ月前に1億円の黒字発表しましたが、結果は9億円の赤字に転落、予想より10億円の利益減です。売上が予想より49億円も増えているのにもかかわらずです。たった1ケ月前の予測なのに、誰にでも出来るはずなのに、どこかおかしいと思いませんか。
  10. その他赤字転落事例は10社ほどありますが、添付資料の通りです。


増収・減益企業の事例について

 次は増収・減益に関する分析ですが、通常、利益の元は売上であり、売上をあげようと経営努力をしますが、売上が予想を上回っても、利益は増えず、逆に減少するという増収・減益に関する分析事例を変化の激しい事例を中心に以下記述していきたいと思います

  1. 毎期注目されているソフトバンクGは、売上が予想より565億円増えているのに、利益は前期に引き続き2276億円の赤字に転落、赤字は予想より2226億円も増えているのです。
  2. 商社の住友商事は、売上が予想より5103億円も増加しているのに、利益は予想より1136億円減少しています。
  3. 通信のNTTは、売上が予想より2745億円も増加しているのに、利益は予想より554億円減少しています。
  4. 機械のダイキンは、売上が予想より1553億円も増加しているのに、利益は予想より36億円減少しています。
  5. 商社の伊藤忠は、売上が予想より1299億円も増加しているのに、利益は予想より182億円減少しています。
  6. 電機のパナソニックは、売上が予想より964億円増加しているのに、利益は予想より260億円減少しています。
  7. 電機のデンソーは、売上が予想より247億円増加しているのに、利益は予想より672億円減少しています。
  8. 電機の村田製作は、売上が予想より201億円増加しているのに、利益は予想より441億円も減少しています。
  9. 化学の信越化は、売上が予想より149億円増加しているのに、利益は予想より298億円減少しています。
  10. 同じく化学の旭化成は、売上が予想より98億円増加しているのに、利益は予想より361億円減少しています。

その他多数あり、添付資料の通りですが、これらの実例から言えることは、売上げを増やしても、利益は増えない、しかも期末のたった1ケ月前の予測でも予測通りどころか正反対の結果となる。おかしいと思いませんか?利益予測など誰にでもできるというのは、間違いではありませんか。


減収・増益企業の事例について

 次は増収・減益と反対の「減収・増益」の事例についての記述です。ここでいう減収・増益とは、前期実績との比較ではなく、予想売上、予想利益との比較で、予想した売上が減少しても、利益は予想した利益より増えるという事例です。以下に別紙添付事例のうち変化の激しい事例について明らかにします。

  1. 大手商社の丸紅は、売上が予想より14495億円という膨大な額が減っているのに、利益は予想より214億円増加しています。
  2. 石油の出光興産は、売上が予想より2808億円減っているのに、利益は予想より385億円増えています。ENEOSは、売上が予想より1434億円減っているのに、利益は予想より481億円増えています。
  3. 日本の鉄鋼最大手・日本製鉄は、売上が予想より1320億円減っているのに、利益は予想より593億円増えているのです。
  4. 電力最大手の東電は、売上が予想より817億円減っているのに、利益は予想より178億円増えているのです。四国電力は、売上が予想より446億円減少なのに、利益は予想より195億円増加。中部電力は、売上が予想より396億円減少なのに、利益は予想より731億円も増加。東北電力は売上が予想より122億円減っているのに、利益は予想より261億円増加。九州電力も、売上が予想より106億円減少しているのに、利益は予想より164億円増加しているのです。
  5. ガス大手の東ガスは、売上が予想より555億円減っているのに、利益は予想より289億円増えているのでず。大ガスも売上が予想より380億円減っているのに、利益は予想より166億円増加。
  6. 電機の富士通は、売上が予想より540億円減っているのに、利益は予想より464億円増加。
  7. 通信の光通信は、売上が予想より231億円減っているのに、利益は予想より372億円増加。
  8. 自動車のいすゞは、売上が予想より134億円減っているのに、利益は予想より64億円増加。
  9. 鉄鋼の大同特鋼は、売上が予想より88億円減っているのに、利益は予想より177億円増加。
  10. 機械大手のIHIは、売上が予想より75億円減少なのに、赤字が167億円減少で利益増加。その他多数の事例あるが別紙添付資料の通りです。

たった1ケ月前の予測なのに、売上が減少しても、利益が増えるなど、おかしいと思いませんか、本当は利益予測はできないのではありませんか?


赤字予想の黒字転換事例について

 黒字予想の赤字転落と逆の事例は、数少ないが以下の通り2社です

  1. 自動車の日野自は、220億円の赤字発表しましたが、結果は170億円の黒字に転換し、結果として予想より390億円の利益増なのです。

たった1ケ月前の赤字予想でもこうなるのですが、理解できますでしょうか。

  1. サービス業の幸楽苑は、規模は大きくありませんが、120百万円の赤字発表しましたが、結果は94百万円の黒字転換でした。


赤字予想の赤字拡大企業の事例について

 赤字で発表したが、結果として、赤字が拡大した企業の事例の記述です。

  1. 常に注目されているソフトバンクGは、50億円の赤字発表しましたが、結果は2276億円の赤字となりました。なんと1ケ月前発表の45倍の赤字です。こんなことがまかり通って、株主、利害関係者、投資家はどう思っているのでしょうか、これがまともな会計制度なのでしょうか?実業界のトップが経営に関し何を発言しようが自由ですが、会計業界のトップも会計のあるべき姿を、しかるべく自由に発言願いたいものです。
  2. 電機のシャープは、100億円の赤字を発表しましたが、結果は1500億円の赤字拡大でした。1ケ月前発表数字のなんと15倍の赤字です。
  3. 医薬品大手の大日本住友は、2000億円の赤字を発表しましたが、結果は3150億円の赤字に拡大、1ケ月前の予測より1150億円の赤字増です。化学の住友化学も、2450億円の赤字発表をしましたが、3118億円の赤字に拡大、予想より668億円の赤字増です。

 たった1ケ月前の予想なのに、その45倍、15倍の赤字増など、誰にでも出来るはずなのに、おかしいとは思いませんか?-本当は予測能力ないのに、できると勘違いしてるのではありませんか?

 たまたまかもしれませんが、産業界を代表する経団連会長職にある関係企業が2社も名を連ねていますが、2社の合計赤字は6150億円です。黒字を出せないような経営者が経団連の要職に居座っているのは如何なものでしょう。恥ずかしくカッコ悪く無いのでしょうか、まともな経営者なら何らかの責任とるでしょうし、私なら即刻辞任します。東大・京大・オックスフォード、ケンブリッチ、早稲田、慶応等、どこで、何を学んだにしろ、「経済学部、法学部出身者」に、「利益の基本、会計の基本」を理解することは永久に無理かと思います。私の半世紀以上の苦しい苦い経験上、断言したいところです。
黒字にしたければ、恥に耐え会計の基本を学び直す「恥知らずの強い男」になる以外ないと思いますが、如何なものでしょうか、経団連会長にその度胸ありますか?

  1. その他、非鉄の東邦亜鉛は、337億円の赤字発表に対し、結果は464億円の赤字で127億円の赤字拡大。同じくサンコールは、48億円の赤字発表に対し、結果は118億円で70億円の赤字拡大。そのほか30社前後の事例があります。


赤字高額ランク 事例について

  1. 医薬品の大日本住友(新社名・住友ファーマ)は、三月決算中赤字トップで、その額は3149億円の赤字ですが、関連して驚くべく事実を述べておきます。信じられないかもしれませんが、「この会社の赤字額が売上額と同額」なのです。年間の売上が3145億円の会社が売上と同じ額の3149億円の赤字なのです。つまり3145憶円売上てもその全額が赤字となるのです。こんなこと理解できますか、
    これでも、監査法人の会計監査は適正であり、監査役会の「内部統制、取締役の業務監査」も適正なのです。3145億円の売上で、3149億円の赤字計上しても、いわゆる内部統制上、取締役の行動は適正なのです。皆様ご理解できますか?
    プロの方もなんじゃこれと思っているのではありませんか?しかしこれが会計制度・法制度の現実なのです、何か大事なことが、欠けて、間違っていると思いませんか?

理解しにくいことなので、別な企業に当てはめて説明すれば、売上・利益日本一のトヨタの売上は45953億円ですが,売上額そっくり、45兆円の赤字になるのです。ホンダの売上204288億円、ソニーの売上13207億円、日立の売上97287億円、日本製鉄の売上88680億円と同額の赤字を計上するのと同じことであり、それでも、監査法人の会計監査は適正であり、問題なし、監査役の取締役の業務監査も適正、問題なし、の監査となるのです。皆さんこんなこと信じられますか、これが日本会計の実態なのです。もうそろそろ目を覚まし、改革に立ち上がりませんか?お手伝いしますよ。以下赤字ランクを続けます。

  1. 赤字第二位は、同じく住友系のリーダー住友化学の3118億円です。経団連リーダーにしてこれですが、いかがされましたのでしょうか?
  2. 赤字第三位は、ソフトバンクGの赤字2776億円です。以下シャープ赤字1499億円、IHI赤字682億円、東邦亜鉛赤字464億円、ディスプレー赤字443億円、アルプス赤字298億円、その他添付資料の通りですが全体で70社ほどあります。


黒字高額ランク(500億円以上)事例について

これまで、赤字転落とか、赤字日本一とか、暗い話が中心でしたが、この際、明るい話に転換いたします。

  1. 利益日本一はどこかについてですが、トップは、さすがトヨタで、49449億円で、日本一です。二位はNTT12795億円、三位ホンダの11071億円、四位三井物産の1636億円、五位ソニーの9705億円、六位三菱商事の9640億円、七位伊藤忠の8017億円、八位KDDI6378億円、九位日立の5898億円、十位日本製鉄の5493億円等、10位まで並べましたが、日本を代表する超一流が堂々とランクしています。
  2. その他別紙添付資料の通りですが、500億円以上の利益企業、145社ほどランクしています。


売上高額ランク事例について

  1. 売上高トップは、やはりトヨタで45953億円で利益ともに日本一です。二位はホンダの204288億円、三位は三菱商事の195676億円、四位は伊藤忠の14299億円、五位ENWOS138566億円、六位NTT133745億円、七位三井物産133249億円、八位ソニー13207億円、九位日産自動車126857億円、十位日本郵政119821億円となっています。
  2. 以下やや下回りますが、日立97287億円、日本製鉄88680億円等等、以下別紙添付資料の通りです。


ついでに、売上少額ランクについて

  1. 売上少額ランク一位は不動産の宮越で、年間売上11億円です。トヨタの売上4553億円のなんと4万分の1です。
  2. 二位サービスのエコナック18億円、三位商社のPパン20億円、四位サービスのオープンドア25億円、五位アステリアの29億円等々です。

本件で言えることは、売上が10億円台でも上場しているという事実、今後10億円台でも、上場できるという点で、参考になるのではないでしょうか、その他、別紙添付資料のとおりでず。


予測通りの企業の有無とそのランク

予測通りの企業は、3月決算企業1128社のうち下記の通り2社のみです。

  1. その他製造業のタカラスタは、95億円の黒字発表をしましたが、結果も95億円でした。
  2. 商社の稲畑産は、200億円の黒字発表し、結果も200億円の黒字でした。但し、売上は7950億円の予想に対し、結果は7660億円で予想より290億円下回っており、売上・利益ともに予測通りということではありません。
  3. 売上・利益とも予測通りは、1社もなしですが、利益のみ予測通りが、1128社中2社のみですから、素晴らしい予測力であることは間違いありません。

以上何点かの項目に分類し、3月期の決算内容を分析してきましたが、結論として、上場企業といえども、業績予想は可能か否かについて、結論を出したい。


結論

  1. 1128社の分析結果、予測できていない。予測できない。が決諭です。
  2. 予測できない具体的根拠

(1)「黒字発表の赤字転落企業の事例」で述べた如く、たった一か月前の予測なのに、黒字予測が赤字になることが、予測できない決定的理由だからである。予測できるなら黒字が赤字になることなどありえないである。
(2)「増収・減益企業の事例」で説明した通り、文字通り、売上が予想を上回っても、利益が予想を下回るということであるが、このことが真実である限り、どれほど売上を増やそうが、利益は減るのであるから、売上の予想しても利益は算出できないということであり、利益予測は不可能ということである。
(3)「減収・増益企業の事例」で説明した通り、増収・減益と真逆のことであり、売上が予想より減っても、利益は予想より増えるという現象であるが、これも真実であるが、これが真実である限り、売上を増やそうが、減らそうが利益の増減には関係ないということであるから、利益予想不可能ということである。
(4)「赤字予想の黒字転換企業の事例」で説明したように、たった一か月前の予測ですから、黒字であると予測できていれば、赤字で発表する必要は無かったということであり、黒字なのに赤字で発表したということは、予測できないということに過ぎないのです。つまり予測できないということです。
(5) 「赤字予想の赤字拡大企業の事例」で説明したように、たった一か月前の予測ですから、一か月後の赤字が予測できれば、それを発表すればよいだけのことで、予測通りでなかったということは、一月後の赤字(黒字も同じ)を予測できないという極めて単純な理由なのである。一ケ月先でも何か月先であろうが、予測ノウハウががなく、予測ができないから、赤字が増えたり減ったりするだけのことなのである。
(6) 「予測どうりの企業の有無」で説明の通り、1128社のうち予測通りなのは、2社のみで、ほぼ99.99%はできていないという結果がでているのですから、これが予測できないという決定的証拠かと思われます。
(7)繰り返しになりますが、整理すると、世の中の常識、プロの会計学者も、会計等誰にでもできる、利益予想なども誰にでもできると思い込んでいて、この誰にでもできるという誤った思いが、世界中に行き渡り、間違ったまま、改まることなく、今日に至ったことである。


以上、利益予測などできて当たり前という考え,思いは、誤りであることを認め、会
計制度の基本の基本を変えていきませんか。そうでないと、無駄な作業を永久に続けていくことになりますし、会計の不正、粉飾もこの世から永久になくなりません。(完)

令和6年7月吉日         
会計・経理研究者 伊戸川 匡