日立、東芝の決算分析(過去14年)・東芝はどうすれば日立に勝てるか?

  1. 4,3月期決算分析として、今回は、日本を代表し、誰にでも知られている日立と東芝の2社について過去14年間の決算実績を表示し、その分析を試みたいと思う。
  2. 分析の項目として、第一点は売上と利益は予想に対しどうであったか、つまり、増収増益か、減収減益か、増収減益か、減収増益かの分析。
    二点目は、利益のみの分析で利益は予想どうりか否か、黒字予想の黒字拡大か、黒字予想の黒字縮小か、赤字予想の赤字拡大か。赤字予想の赤字縮小か、黒字予想の赤字転落か等々、日本初の分析、問題点の指摘である。
  3. 第一点の売上と利益は予想に対しどうであったかについて
    ①内訳として四項目あるが、際立った特徴のみ述べると、経営にとって望ましい「増収増益」に関し、日立は14期のうち10期が増収増益なのに対し、東芝は、14期のうちわずか2期のみが増収増益であり、東芝の負けが明らかである。
    ②際立っている二点目は、「減収増益」という項目であるが、増収増益、減収減益があるべき姿と思われるが、この原理に反する「減収増益」が日立0に対し、東芝7期もあるのである。つまり、売上が減っているのに利益が増えるということは、利益操作をして意図的に不正な利益を計上している以外考えられないということであり、合わせて、下記記載の通り、東芝は経営に欠かすことのできない「利益予測・業績予測」ができていない会社ということになり、会社そのものの維持継続どころか存続そのものに赤信号がでている企業ということになるのである。
  4. 第二点は利益のみの分析で、損益は予想した損益であったか否かについて
    ①黒字・赤字の拡大・減少に関しては、理解しやすく、違和感ないが、際立った特徴は5項の「黒字予想の赤字転落」決算の有無である。
    実態は日立ゼロ、東芝1期である。数は少ないにしろ、目立ち、あってはならない、企業にとって、恥ずかしい事態である。
    何故なら、その予想は決算期末のたった1ケ月前に予想した数字なのに、利益予想計算ができない会社であることを世にさらしてしまうことになるからである。
    ②具体的に際立った特徴は、別表の通りであるが、東芝の27,3期の場合、たった1ケ月前の予測なのに、1200億円の黒字予想が、一転378億円の赤字に転落しているのである。
    このことからも、東芝は利益予測ができない会社ということになり、日本を代表する会社にしてこの有様なのである。
  5. 日立と東芝の数字上の分かりやすい相違点は何か
    ①知名度は日立、東芝とも、ほぼ同じぐらいかと思われるが、売上、利益水準に大きな差がある。
    14年間のトータルとして、日立の売上132兆1765億円(年換算9兆4417億円)に対し、東芝72兆4543億円(年換算5兆17531億円)であり、大雑把に東芝は、日立の半分の売上規模なのである。
    ②14年間の利益合計については、日立2兆5350億円(年換算1810億円)に対し、東芝は5399億円(年換算385億円)であり、東芝は日立の5分の1、2割の利益しか上げていないのである。
    しかも東芝は、不正経理、粉飾決算の指摘、マスコミの批判等で、瀕死の状況下にあるのである。
  6. はてさて、以上の実績からみて、勝敗はあきらかであり、東芝は如何にすれば、日立に勝てるかであるが、以下の点を指摘したいと思う。
    ①ざっくり言って、過去の実績を見る限り、日立は、簿記会計の基本原理からみて、企業経営に不可欠の「業績予想・利益予想」ができている企業であり、東芝は、利益予想・業績予想ができていない企業であることが明らかと思われる。
    ②しからば、東芝はどうすれば日立に追いつき、勝てるようになるかであるが、東芝は、次項と重なるが、社長以下、簿記・会計の基本を学び直した上、企業経営に必要な「利益予想・業績予想のノウハウ」を学び、身につけることが最優先事項かと思われる。これが指摘すべき第一点です。
    ③第二点として、慶応経済卒、ジャーナリスト、評論家、ノースアジア大教授の石川 好氏は、政治家に対し、個人のお金の入りと使い道を説明できない人間(政治家)に、国家の適正な予算の管理が出来るはずはない。国家予算だって「簿記の延長線上」だから、政治家たるもの、時間を見つけて簿記学校にでも通うべきではないかと、主張している。
    だとすれば、東芝が、会社資金繰り、利益計算が出来ないのなら、会社・事業の経営ができないのは当たり前のことであり、会社予算、利益予測計算も「簿記の延長線上」にあり、東芝の役員は、簿記会計の基本を学び直す必要があるということになるはずである。国家・国民のため、政治家でさえ、簿記学校へ通うべしという説が成立つからには、東芝の社長・役員、関係者も「簿記学校へ通い」、簿記の基本から学びなおすことが、日立に追いつき追い越す最低限の要件と思うが、如何なものでしょうか?

 

以下主張の根拠である「各種データ」を列記します。

      日立 東芝 摘要
A 売上・利益 増減        
1 増収・増益   10 2 売上・利益とも予想より増加している状況(増収増益につき理解しやすい)
2 減収・減収   1 4 売上・利益とも予想より減少(減収減益につき理解しやすい)
3 増収・減益   3 1 売上が増えているのに、利益は予想より減少、やや理解しがたい
4 減収・増益   0 7 {東芝}売上が予想より減っているのに、利益が予想より増加しているのが7期もあり、不自然であり不可解。何らかの会計操作の疑念。
          7事例のうち、極端な事例を示せば、28,3期の場合、売上が予想より桁違いの5313億円も減っているのに、赤字が予想より2500億円も減り、利益増になっているのです。このことから、東芝は利益予測ができない会社である、ことを数字で、事実として証明していることになります。
    14 14  
           
B 利益の増減   日立 東芝  
1 黒字予想の黒字拡大   9 6 黒字、赤字間の増減なので、理解しやすい
2 黒字予想の黒字減少   3 2 同上
3 赤字予想の赤字拡大   1 2 同上
4 赤字予想の赤字縮小   1 3 同上
5 黒字予想の赤字転落   0 1 東芝の27,3期の場合、たった1ケ月前の予測なのに、1200億円の黒字予想が、一転378億円の赤字に転落しているのです。
          このことからも、東芝は利益予測ができない会社ということになります。日本を代表する会社にしてこの有様なのです。
6 赤字予想の黒字化   0 0 1件もなく、理解
    14 14  
           

日立・予想と実際

東芝・予想と実際