四半期決算の見直し・廃止は使命感ある会計学者、会計士にしかできない・・・

金融審議会・作業部会、企業会計審議会、企業会計基準委員会 委員各位様
上場企業・決算担当役員様 経理部長、実務担当責任者様

四半期決算の見直し・廃止は使命感ある会計学者、会計士にしかできない・・・
トランプ、岸田首相がのりだしてきている「四半期決算の役割・その実態と問題点」に関する日本・世界初の検証データー

 

四半期決算・その開示に関し、政府方針が打ち出され、それなりに審議されてきました。当初においては政府方針は四半期廃止を前提とした抜本的見直しが看板政策のはずでしたが、抜本的見直しに至らず、四半期の開示頻度は変えず、「四半期開示を決算短信に一本化」するという中途半端な妥協策の方向ですすんでいるように思われます。

しかしながら、四半期決算そのものに関し、果たして、国家のため、世のため、当該企業のため、そして肝心かなめの「投資家」「投資家関係者」に必要不可欠なものなのか、依然として不可解、不毛の議論がなされているように思われるので、前回令和3年3月期の四半期決算の分析に引き続き、今回直近の令和5年3月期の四半期決算の実態についての分析結果を述べたいと思う。前回との違いは、前回は「累計した四半期末の実態分析」であるに対し、今回は「累計した四半期末の業績分析]ではなく、「各四半期の3ケ月を独立した決算期間と考え、当該3ケ月間にどれだけの業績を上げたか」の業績分析です。つまり、四半期は独立した決算期間であり、四半期の会計処理は年度末と同じ会計ルールを基に会計処理しているのですから、一年単位で業績評価するのと同様、独立した3ケ月単位の四半期を、黒字か赤字かを分析評価しようとするものであり、その結果として、現行四半期制度は果たして、四半期の業績は通期の業績を考える上で有用な情報であるべきとする、四半期制度制定の目的に合致しているものか評価しようとするものです。
 会計制度の制定、会計制度の見直し等、会計の基本にかかわる仕事に携わっている金融審議会、企業会計審議会、企業会計基準委員会委員の皆様、上場企業トップ・決算担当役職員の皆様には、引き続きぜひ目を通していただきたいものと思います。

遡って、これまで四半期開示に関する諸見として、4年前の2018年(平成30年10月30日付け)の日本経済新聞のOpinion欄に、「企業決算、四半期開示の是非」とする日米欧の3人の専門家の意見が大きくとりあげられ、紹介されました。世界の主要国が大筋としてどう考えていたかについて、参考になろうかと思いますので、その内容を要約してご紹介すると以下の通りです。
最初に各国の意見を結論的に列挙すると以下の通り。

  1.  アメリカ
    ① 欧州で四半期決算の法定開示義務が廃止されても、多くの企業が「任意で公表」を続けている。これは企業側がメリットの方が大きいと感じている証左である。
    ② よってアメリカの協会当局としても、「四半期決算を途中経過の報告と認識」していて「四半期決算の実績は途中経過を把握するうえで有用な情報であり、廃止すべきではない」としている。
  2.  イギリス
    ① イギリスの投資家協会の意思として、当初より前向きで、当初より四半期決算廃止を提案してきた。四半期をやめることは会社のみならず、株主の利益にもつながる。
    ② 投資家にとって必要なのは、より多くの情報ではなく、良質なタイムリーな情報である。
    ③ 半期決算の企業も、投資家に伝えるべき情報が生じた場合、決算発表を待たずに、速やかに発表すればよいだけのことである。イギリスは堂々と四半期廃止を主張している。
  3.  日本
    ① 金融庁金融審議会の委員を代表する意見として、四半期開示の法制化の理由は、「投資家は四半期ごとの情報を欲しているというのが理由」であった。「事業年度の3ケ月、6ケ月、9ケ月の途中経過を発表させて進渉状況を確認するのが趣旨」であった。
    ② これまでの四半期開示は適時開示の信頼性を高めている。機関投資家と一般投資家の情報開示の格差が生じないよう開示が望ましい。
    ③ 規制を緩めて開示を後退させるより、効果的な内容開示の「回数」が重要である。

 

(詳細・原文は以下の通り)

アメリカを代表する意見として、「米機関投資家協会事務局長」ケン・バーチュ氏の意見は、トランプ大統領が四半期開示をめぐり、米証券取引委員会に調査を指示した際、135の機関投資家で作る米機関投資家協会は、即座に「廃止反対」を表明した。その反対の理由は、欧州で四半期決算の法定開示義務が廃止されても、多くの企業が「任意で公表」を続けている。これは企業側がメリットの方が大きいと感じている証左であり、協会としても、「四半期決算を途中経過の報告と認識」していて、企業の行動が制限されるものではないとみており、結論として、「四半期決算の実績は途中経過を把握するうえで有用な情報であり、廃止すべきでない」と述べています。

一方、イギリスを代表する意見として、「英国投資協会最高経営責任者」クリス・カミング氏は、英国の機関投資家団体として四半期決算の開示をやめるよう英企業に促してきた。四半期決算はしばしば経営者に短期志向を強い、長期の目標に集中するのを妨げる要因になるからだ。企業は長期の視野で経営されるべきで、四半期開示をやめることは株主の利益にもつながる。開示に要する事務コストの負担も大きい。
四半期開示は上場企業に多大なコストを強いる。決算書を作るために3ケ月毎に、膨大なデータが集められ、経営者の貴重な時間が費やされる。そのエネルギーを顧客のために注いでほしいというのが、投資家としての希望である。四半期から半期開示への移行に対して、投資家が得られる情報量が減るという批判は完全な誤解だと思う。我々が欲しいのはより多くの情報ではなく、より良質でタイムリーな情報だ。半期決算の企業も、投資家に伝えるべき情報が生じた場合、決算発表を待たずに、速やかに発表すればよいだけのことである。トランプ大統領の見直し検討指示は歓迎しているが、依然とした米国の法的開示義務は他国の廃止推進を阻害しているように思う。等々イギリスは堂々と四半期決算反対意向を示しているのです。

 かたや、我が日本はどうであろうか、日本を代表する意見として、金融庁の金融審議会等各種の委員を歴任してきた東大法卒の早大教授・黒沼悦郎氏は、次のように述べている。四半期決算の開示の是非をめぐる議論は古くからある。1970年に米国が導入し、日本の研究者の間でも取り入れるべきとの声が上がった。日本での最初の導入は1999年だが、2004年にすべての上場企業に対象が拡大され、2006年の法改正で四半期開示は法定開示に格上げされた。経営環境の変化が激しくなり「投資家は四半期ごとの情報を欲しているというのが理由」だった。「事業年度の3ケ月、6ケ月、9ケ月の途中経過を発表させて進捗状況を確認するのが趣旨」で短期主義を助長する制度とは言えない。
業績を含めて経営に大きな変化があったら、直ちに情報を公開する適時開示だと考える。四半期など法定開示は適時開示の信頼性を高めている。「投資家に対する公平な情報開示をするという原則からも、四半期開示は望ましい。」企業は内部で業績をまとめており、開示の頻度が少ないと、特定の投資家のみに情報が伝わりかねない期間が長くなる。機関投資家と一般投資家の情報格差が開いてしまう問題がある。日本経済の成長には、規制を緩めて開示を後退させるより効果的な内容開示(の回数)が重要になる。結論として、機関投資家と一般投資家の間の情報格差を抑える働きとして、四半期開示は必要である。と述べています。

これまで、上場会社の決算実務を半世紀以上経験し、その経験を活かし、上場会社の決算分析を10年以上実施し、HPに公開、問題提起し、会計問題の解決に関与してきたものにとって、これまでの専門家の意見、経緯を鑑みるに、日本のみならず、世界の会計レベルがあまりにも低く、情けなく、哀れにさえ思われたので、今般あえて、不要論、簡略化論に関する問題提起をするものであります。不要論等の根拠は別紙添付資料の通りですが、要約すれば、①鳴り物入りで始まった四半期決算はこの制度そのものが、初めから今日まで役に立たない無駄な作業であったこと。役に立たないだけでなく、企業にとって恥さらしのものであるだけに、恥を回避しようとして粉飾、不正会計の温床になっていること。②企業だけでなく、利害関係者の株主、国内外の投資家にとっても、国家にとっても役に立たず、無駄な努力で、企業力、国力を弱める結果になっていること。④更に日本国家の会計レベルが低レベルであることを諸外国にさらし、日本の国力を弱める結果になっていること。⑤回りまわって、日本の経済成長が低レベルで推移し、所得が20年以上あがらないことの遠因になっていること⑥役に立っている業種もあるが、この場合1Q,3Qは不要で無駄であること等々である。

四半期決算がなぜ役に立たず、無駄であり、不要なものなのか、具体的に列挙すると以下のとおりです。

  1. 別紙添付の通り、基本データーとして、2のデーターを作成、一つは一期でも赤字を計上したケース、もう一つは、全て黒字のケースの2つである。最初にA表(55社)の四半期中、一期でも赤字のある企業55社について分析・私見を述べたい。
  2. 最初に、「一期でも赤字のある企業」について
    ① 以下に具体的企業の実態について、説明するが、最初に結論的なことを述べる。
    売上が一定であろうが、ばらばらであろうが、利益は、4Q全て赤字、3Q赤字1Qのみ黒字、2Q赤字2Q黒字、1Q赤字3Q黒字等々ばらばらである。
    ② これら四半期の実例を見て、特定企業の1Qのみみて、その企業のその後乃至期末の業績を予測したりすることは不可能であることを理解すべきである。
  3. 四半期単位での業績の乖離が大きな企業についての分析
    ① 日清製粉は、売上が四半期ほぼ一定なのに、1Qが63億円の黒字、2Qが441億円の赤字、3Qが148億円4Qが126億円の黒字で、黒字赤字ばらばらです。2Qで赤字でも、3、4Qで黒字だから通期では黒字と思いきや、通期では103億円の赤字なのです。これが実態だとすれば、四半期などやっても、その後の四半期、通期の業績と何の関係もないではありませんか。四半期決算制度は期末の業績に役立つ何らかの有用な情報提供のために存在するはずですが、こんなバラバラの黒字赤字の情報など、投資家にとって何の役にも立たず四半期など意味なく、不要で、国家、企業にとっても無駄で不要です。(以下同じ様なものです)役立つどころか、混乱させるために存在していることが理解できませんか。
    ② 帝人も、四半期売上ほぼ一定なのに、1Qが72億円の黒字、2Qが3億円の黒字、3Qが146億円の赤字、4Qも106億円の赤字等、売上と関係ないばらばらの損益で、通期も176億円の赤字決算です。四半期など、株主、投資家にとって役に立たない無駄なものです。
    ③ 東レも、四半期売上一定で、1,2,3Q連続黒字なのに、4Qで突然赤字、前半の四半期の黒字はなにを意味するか、各四半期何の関係もなし、四半期など意味なしです。
    ④ 日本製紙も、四半期の売上それなりの一定水準なのに、各四半期業績は見事に連続赤字で、通期で504億円の赤字です。しかも売上と赤字の関係は、比例反比例もなくばらばらです。売上が減ったから利益が減ったというものでもありません。4Qの場合、売上が1Qより384億円も増えているに、利益は1Qより165億円も減っているのです。売上が増えているのに、利益が減るなどおかしくありませんか、売上増やす意味ないのではありませんか。四半期と通期業績など何の関連性もなく、四半期など意味なしです。
    ⑤ 旭化成も、四半期売上ほぼ一定なのに、利益は1Qが298億円、2Qが218億円,3Qが143億円の連続黒字で次も黒字を予測させながら4Qで突然1573億円の赤字で、通期で913億円の赤字転落決算です。四半期の業績と期末の業績何の関係もない結果です。こんな結果見て、投資家、利害関係者の方々どうして何も言わないのですか、四半期決算を望んで制度化したのは、投資家の皆さんではありませんか、投資家の皆さん、このまま放置し、役に立たない損するかもしれない制度を放置しておくのですか。
    ⑥ 住友化学も、四半期売上ほぼ一定なのに、1,2Q黒字、3,4Q赤字だが、投資家は何を参考にせよというのか、有意義なこと何もなしです。
    ⑦ 宇部興産も、四半期売上一定で、1Q黒字、以後2,3,4Q連続赤字で期末通算で70億円の赤字です。1Qの黒字など以後の見通しに無関係。四半期の結果など期末利益と何の関係もありません。
    ⑧ 大日本住友も、売上にばらつきあるが、1Qのみ黒字、2,3,4Q連続の赤字で通期も745億の赤字決算です。1Qの黒字は次の黒字を投資家に想定させるものでないのか、そうでないなら、四半期の意味なし。
    ⑨ 出光興産、ENEOS、日本板硝子も、四半期中、3期黒字で1期のみ赤字、四半期と期末、関連性なし、四半期の意味なし。
    ⑩ 太平洋セメントも、売上ほぼ一定で、4期連続赤字、通期で332億円の赤字決算。期末との関連性なく、四半期の意味なし。
    ⑪ シャープは、売上にばらつきあるが、1Qのみ黒字、2,3,4Q連続赤字で通期も2608億円の赤字決算です。四半期と期末何の関係もありません。もし、貴方様が1Qの黒字を根拠に投資したとした場合、その後の3期連続の赤字に騙された結果になりますがそうは思いませんか?
    ⑫ 日野自動車は、売上はほぼ一定で、1,2Q黒字なのに、3,4Qで高額な赤字の上、通期でも1176億円の赤字決算です。前半四半期の黒字と後半赤字は何の関係あるのか、四半期の意味なし。
    ⑬ コニカは、売上に若干のブレあるが、1Q赤で、2,3Q黒字なので4Qも黒かと思いきや高額の998億円の赤字、通期でも1031億円の赤字計上、四半期の意味意義全くなし。
    ⑭ ソフトバンクGは、売上ほぼ一定なのに、利益のブレ極端に大きく、1Qに3兆円強の赤字に対し、2Qで3億円強の黒字で帳消し、3,4Qで再び高額赤字、通期で9701億円の高額赤字となっている。高額の赤字を繰り返しながら、四半期決算の目的は期末のため有用な情報を提供することにあるとする四半期決算などどこ吹く風、会社の意のままに、動き回っているように見える。
    ⑮ 東京電力は、売上にばらつきあるが、1,2,3Q連続赤字、4Qのみ黒字だが、通期で1236億円の赤字決算、四半期決算の意味意義感じられず。
    ⑯ 関西電力は、1,2,3Q連続赤字なのに、4Qで黒字、通期通算で176億円の黒字決算、このばらつき状況は、四半期決算とは無関係で、四半期の意味なし。

    ⑰ 以上の通り、四半期黒字なのに、期末に突然赤字決算、逆に四半期赤字なのに、期末に突然黒字など、3ケ月、6ケ月、9ケ月の途中の経過を示す有用な決算情報であるはずないではありませんか。何のための四半期か、四半期など無駄そのものではありませんか。
  4. 次に別表B表(129社)の「四半期・全て黒字企業」に関して述べたい。
    (1) 四半期の売上が、一定していようが、多少の変動があろうがなかろうが、利益はばらばらであり、売上に比例も反比例もしていない。
    (2) 売上が若干増えても利益は半減、売上が逆に減っても利益は倍増等々、黒字でも黒字は売上に関係なく、ばらばらである。
    (3) 残高ペースで、1Qの2倍が中間期ではないし、3倍が3Qでもないし、4倍が期末の業績でもない。もしそうなら、2Qも3Qも不要であり、1Qと期末の2回決算やればよいだけのことになる。しかし、繰り返すが、売上に関係なく、利益はばらばらなのである。四半期決算は何のためにやるのか、プロの会計士、会計学者にも理解できていないというのが、実態なのである。
    (4) 以下主要企業の実態を具体的に説明する
    ①日本を代表する日本製鉄は、2Qにおいて売上が1Qより360億円増えているのに、利益は895億円の大幅減、4Qにおいては、売上が3Qより733億円減っているのに、利益は逆に321億円増えている。全体としては四半期全て黒字ではあるが、売上に関係なく利益はばらばらであり、プロであれ 素人であれ、四半期の数字見て先々や、期末がいくらになるなど、見通すことなど不可能である。会社の決算担当者においても、結果としてそうなっただけで、期末のことなど事前に予測することなど、不可能かと思われる。可能なら、四半期など通り越して、期末の予測はこうですと言えばよいのであって、ばらばらの四半期など何の意味もないはずである。
    日本を代表する企業の決算担当の方々も、四半期など意味なく、廃止すべしと考え行動してもよろしいのではありませんか。

    以下同様に、企業の実態を述べますが、利益はばらばらであり、日本製鉄と同じ趣旨の結果ですが、重複を避け、結果のみ列挙します。
    ②同じく日本を代表する日立は、4Qにおいて売上が2Qより746億円も減っているのに、利益は2215億円も増えている。売上と無関係な利益で、しかも四半期ごとに利益が減ったり増えたり、四半期決算など何の意味ありません。日立の決算担当者もこのようになるなど理解していないのではありませんか。四半期など意味ないことをそろそろ認識し、しかるべく会計改革すべきではありませんか。
    ③同じく日本を代表するソニーについても、四半期の売上にかなりの差がありますが、4Qにおいて売上が、1Qより2520億円も上回っているのに、利益は1Qより900億円も下回っていますが、投資家にとってこんなこと、理解できますか。売上が増えているのに、利益が減るなど、会計原則に違反していませんか、会社にとっても、ばらばらの四半期業績など何の意味もないのではありませんか。中間と期末の2回決算でよいことをそろそろ理解すべきではありませんか。
    ④同じく日本を代表し、世界に誇るトヨタについても、2Qにおいて売上が1Qより7271億円も増えているのに、利益は1Qより3025億円も減っていますが、おかしいと思いませんか。売上が増えれば利益増え、売上減れば利益も減るという会計原則に合致しませんね。会計原則に合致しないのに、バラバラの四半期決算など意味なく、無駄ではありませんか?
    世界のトヨタでさえ、四半期決算の原理原則と合致していないのです。どうすべきか答えは決まっていますが、そろそろこんな制度廃止にすべきではありませんか。
    ⑤証券界を代表する野村証券についても、4Qにおいて売上が2Qより2484億円も増えているのに、利益は93億円減少し、しかも3Qの売上とほぼ同水準なのに、3Qの利益669億円が595億円減の73億円となり、9分の1に減っているのです。四半期決算の目的は、期末の業績を把握するための有用な情報を提供するためであるとするのに、こんな状況だと、有用な情報提供どころか、無用な、役に立たない情報をあえて提供するために、一生懸命やってるのではありませんか、自社の決算状況すら理解できなくて、投資家に対し他社に関する有用な情報など提供できるわけないのではありませんか?
    ⑥NTTについては、4Qの売上が1Qより4947億円も増えているのに、利益は1Qより1879億円も減少、加えて3Qの売上に比べ2771億円も増えているのに、利益は3359億円の半分の1805億円に減少、期末の数字と何の関係もないばらばらの数字を投資家に出して、何が有用な情報ですか?

    ⑦最後に、監督機関の日本取引所の状況について触れておきます。結論として監督機関の決算、四半期決算の目的、あり方の理想像を示していることを申し述べておきます。四半期の売上、利益ともにほぼ同額であり、結果として、1Qの2倍が2期、1Qの3倍が3期、1Qの4倍が期末である。業務内容が一定化しており、収支が一定している典型的業種でありますが、見事なものです。
    ⑧その他別紙添付データの通りですので、ご参照ください。
  5. これまで述べてきた根拠であるデータの内容は以下の通りですので参照ください。
    (1) 四半期決算の当事者である全上場会社約4000社すべての四半期決算の実態を明らかにできればそれにこしたことはないが、業界を代表する企業として、東京証券取引所が選定している「日経平均株価採用銘柄225社」のうち「3月決算の184社」に絞り、四半期決算の実態を分析すれば、大要は把握できるのではと思い、日経平均株価個別企業に関し所見を述べています。

    (2) 分析項目として 下記2項目に分類し、内容分析しています。
    (添付資料)
    A表 四半期中、一期でも赤字の企業リスト(55社)
    B表 四半期・全て黒字企業のリスト(129社)
    末尾に添付の「基本資料」 日経平均株価採用銘柄225社のうち3月決算184社の決算概要リスト

 

「補足事項」

以上の検証は、四半期決算終了後の実績結果についての検証内容ですが、補足として、各四半期の実績と実績の比較検討でなく、「通期期末業績の予測と実績」という別な角度から、四半期決算不要論及び簡略化論を提案いたします。
別途、経営の基本問題として、「日本の上場会社は期末の業績・利益予測が可能か否か」について、3月決算上場会社約1800社の予想と実際、その乖離状況に関し、過去10数年検証してきて、既にHPに公開ずみですが、検証結果は、以下の通りです。(本提案により、かって制度化された中間決算制度の「致命的欠陥が是正された経緯があります」)

  1. 日本を代表する企業であっても、期末までたった1ケ月前の利益予測でも、実績は、想像を絶する乖離があり、結論として、上場企業にも、予測はできない、できていない、できると錯覚し、間違いを平然と繰り返してきたということが明らかなのです。
  2. 実態として、既にHPに公開済みですが、1ケ月前の予測に対し、黒字予測が想像を絶する額の赤字に転落する事例が数限りなくあるのです。乖離の激しい事例を数社列挙しますと、2/3期の事例ですが、ソフトバンクは1ケ月前の利益予想額1兆円に対し9615億円の赤字に転落、約2兆円の赤字増、日産自動車は650億円の利益予想が6712億円の赤字に転落、JFEは130億円の利益予想が1977億円の赤字に転落、丸紅は2000億円の利益予想が1974億円の赤字に転落等々、以下省略しますが、会計学者プロの皆様信じられますか、そして理解できますか、これが日本を代表する一流企業の利益予測の実態なのです。
    その他、内容はHPにゆだね省略しますが、赤字予測が予想外の赤字拡大、黒字予測が想像外の黒字拡大、少ないが赤字予想の黒字転換企業が数社、この10年で、予測通りなど1800社中、一社か多くても5社前後にすぎなく、ほとんど99%が予測にほど遠く、利益予測ができていないのが、実態なのです。
  3. だとすれば、1ケ前の予測もできないのに、四半期の3ケ月単位の四半期決算の実績など、期末の業績に有用な情報であるはずがないではありませんか。詳細データはHPにゆだね省きますが、四半期の結果が「中間決算と同様、期末業績を予測する有用な情報でない」とすれば、四半期決算など意味ないではありませんか。「中間決算は期末業績を予測するに有用な情報を提供するものでないことが明白」になったので、中間決算が廃止されたのではありませんか。四半期決算情報は、中間決算情報よりその有用性がはるかに低く、期末の業績を予測する有用かつ重要な情報でないのであるから、中間決算制度の廃止は遅きに失しましたが、四半期決算も遅きに失しないよう、即刻、廃止すべきではありませんか。

 

以上の分析は、日本、世界で初のものであり、日本の世界の会計専門家も理解していないものです。もし理解していれば、このような無駄、不要なものは制度化されていないはずだからです。どうか、アメリカ、西欧等先進諸国がどうあれ気にすることなく、日本の国力、企業力、経営力、会計力を高めるため、四半期決算の廃止、もしくは半期決算にするよう提案する次第です。

四半期開示に関し、岸田首相、トランプ元大統領を含め、四半期決算などやめたらとの意見に対し、このド素人がというがごとき有識者、経済学者等がおられますが、また、内容も重要だが四半期の「開示の回数」が重要と述べられている審議委員の方がおられますが、四半期と期末の関係は独立したものであり、四半期と期末の業績には何の関係もないことを理解していない素人の方々のご意見なのです。簿記のボの字、決算のケの字、会計のカの字も理解できない方々には、100年たっても理解できないでしょうが、意味のない開示をたとえ100回やっても、毎日やっても、回数など何の意味もないことだけはこの際、申し上げておきます。
 これまで四半期制度に対するご意見の多くは、それなりに必要なものではあるが、四半期事務のため多くの人材等を要し経費が掛かりすぎる、短期の問題にこだわり経営が短期志向になり会社の長期的繁栄のためにならない等々の意見を背景とした反対論に見えるが、私の意見は、そうではなく、ずばり四半期決算はその後の四半期、期末の業績に役立つ有用な情報提供でありうるか否かではあるが、私の結論は、四半期制度はその後の四半期、期末の業績に役立つ有用な情報を提供するものではない。そもそも四半期制度そのものが、会計の原理原則に違反するものであり、永久に目的達成は不可能なものなのです。この制度そのものの存在理由はなく、その根拠はしかじかかくかくであるというのが、私の主張です。
 制度制定の目的に異論を述べる以上、反対者としての説明責任を果たすのが、私の責務かと思い、本稿を記した次第です。

 本稿で取り上げている四半期決算問題は、アメリカのトランプ元大統領、日本国の岸田総理も取り上げている問題であり、一国の大統領、首相が乗り出してくるということは、考えようによっては、一国の方向性を左右する大きなテーマだけでなく、世界の運営にかかわるテーマでもあるのです。
 もし、「四半期制度は廃止すべきである」とする私の主張、その根拠に異論おありの方がいらっしゃいましたら、どんなことでも結構ですので、ご指摘、ご提案いただきたく、よろしくお願い申し上げます。しつこいようですが、重ねてよろしくお願い申し上げます。

 会計制度を審議する各審議会の各委員の方々に申し上げますが、皆様がたが制度化し実行してきたことは必ず歴史が判定を下します。どうか歴史に汚点を残さぬよう、今何をなすべきか、お考え下さい。正しいことをやるのであれば、早い方がよろしいかと思います。

結びとして、繰り返しになりますが「公益資本主義の賛否は別として」内閣府参与の原丈人氏が政府、関係者に提案した「日本が初めて四半期決算廃止を表明した国になってほしい」を結びとしたいと思います。

                                                                                                  令和5年8月吉日
                                                                                                     会計・経理研究者 伊戸川 匡